眼鏡ってこんなに面白いんだ!!


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1.近視の矯正

1-1.近視矯正の原理

 

「まずは眼を知ろう 3-1.近視の定義」のところで『 網膜上を仮に「0(ゼロ)」とした場合、
ピントが網膜の手前にある近視の眼の中は「+(プラス)」寄りと言えます』と書きました。
つまり-4.00Dのレンズで矯正される近視の眼というのは、眼の中が+4.00Dなのです。

 

-4.00D

 

(+4.00Dに対し-4.00Dと言うのは、完全矯正値です。
実際には完全矯正値で度数を決定することはあまりありません)

 

注)近視の場合は最高視力の最弱度数。遠視の場合は最高視力の最強度数と
  言われますが、それで作る眼鏡の度数を決定して良い訳ではありません。

 

それはともかく、眼の中の+度数をレンズの-度数で打ち消すのが近視矯正の原理です。
この原理は眼の中の度数がどんなに強くても同じです。

 

-10.00D

 

コンピュータ検眼と称し、オートレフラクター(以下オートレフ)で計測した度数から
始めるアイテストには反対です。特に理論を知らないでこれをすると、計測値が違っていても
自分で検証できないからです。甚だしい場合には混乱し、いつまでも間違った度数で
レンズ交換を繰り返しお客様を疲れさせます。

 

オートレフには、いくら雲霧するようになっていたとしても、
器械近視のおそれがあります。いわば白衣高血圧のようなもので、
のぞき込むことで近視が強めに出る可能性もあります。

 

理論をきちんと修得し裸眼状態から始める方が、
眼の中を想像してアイテストができます。

 

 

1-2.裸眼視力からの矯正

 

こういう目安があります。

 

度数 = 0.4 ÷ 裸眼視力

 

裸眼視力を測って、この目安に則ってアイテストを始めるのが
特に新人にとっては有効だと信じます。

 

ただし、仮に裸眼視力が0.1だからといって、
最初から-4.00Dのレンズを装用させたりはしません。
乱視の存在も考えられますから、まず半分の-2.00Dから始めるのが妥当です。

 

k-2.00D

 

視力が上がった = 網膜上のブレが減った、を確認して次のレンズに交換します。
次の-3.00Dでも視力が上がる。-3.50Dでも視力は上がる。-4.00Dで1.0が見える。
-4.50Dだと変わらない。またはボヤケる。

 

ここまで来て-5.00Dを入れる人はいないと思いますが、-4.50Dのレンズは完全に過矯正です。
-4.50Dで変わらないと答えたのは自己調節が働いたから。ボヤケると答えたら、
自己調節できず、眼の中が人工的な遠視状態になっていると気がつくべきです。

 

入れたレンズと視力を追っていく訓練をすれば、こういうミスはしなくなります。
近視が最高視力の最弱度数でと言われるのは、これ以上強くすると調節が介入するからです。
(何度も書きますが、だからといってこの度数で作るとは限りません)

 

通常は、度数を-3.50Dくらいに下げてレッド・グリーンテストをします。
ただし、眼の中を完全に想像できていれば、レッド・グリーンテストをしなくても
大丈夫です。

 

そうは言っても解説しないのは不親切なので、別の項で解説します。

 

1-3.度数から裸眼視力を知る

 

前項冒頭の度数 = 0.4 ÷ 裸眼視力
変換すると以下のようになります。

 

裸眼視力 = 0.4 ÷ 度数

 

お客様が完成した眼鏡を受け取る時に、
担当者が違うとたまに裸眼視力を訊かれたりします。
控えにも書いてなかったりします。そういう時に度数から
裸眼視力を推定して答えたりしてませんか?

 

測らなかったのか、測ったけれど書き忘れたのか?

 

本当は、再度測り直した方が良いのでしょうが、
アイテストの時、どういう会話があったのか
分からないので、話がややこしくなると困るので、
または面倒なのでこの計算で済ましたりしてませんか?

 

オートレフの前に裸眼視力。お客様に告げると同時に控えに記入。
度数が決定したら、矯正視力をお客様の告げる。(これはやっている事が多い)
控えに記入。お受け取りの時には再度矯正視力の確認。

 

これくらいやるのは当然ですよね?
第一、その質問があって時点で、お客様はクレームを言っているのです。
これをクレームと思わないでスルーするなんて、眼鏡屋以前に商売人!?

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